【サプリを飲む前に】押さえておきたいミネラルの「種類」と「効果」|目的に合ったミネラルを紹介
「最近、なんだか体調悪いなぁ」
「カラダに良いらしいし、とりあえずサプリ飲んどくか」
ビタミンもそうですが、ただ何となくサプリを摂るのはもったいないですよね。
それぞれのミネラルの特徴を知ったうえで、自分の状態に合ったサプリや食材を選べるように、必要な情報をまとめました。
本記事では、以下が分かるようになっています。
- そもそもミネラルって何?
- ミネラルにはどんな種類がある?
- ミネラルにはどんな効果がある?
- こんな時は、どのミネラルを摂ったらいい?
- このミネラルを多く含む食材は?
※ビタミンの種類と効果も押さえておきたい方は、以下をご覧ください!
※目的に合ったミネラルをサクッと知りたい!という方は、目次から後半に飛んでください。
ミネラルとは?
- 炭水化物やたんぱく質、脂質、ビタミンと並ぶ5大栄養素のひとつ
- 筋肉や骨の元となる、カラダの組織を構成するために必要な栄養素
- 体内で生成できないため、必ず体外から摂取する必要あり
- 別名、「無機質」とも呼ばれている
ミネラル自体は、地球上に存在する元素のうち、水素、炭素、窒素、酸素を除いた元素を指すため、非常に種類が多いです。
その中でも、人間のカラダに欠かせないことが分かっているものが16種類あり、これらは「必須ミネラル」と呼ばれています。
今後の研究によって必要不可欠であることがわかれば、その種類はさらに増える可能性があるとのこと
各ミネラルの種類と働きは?
必須ミネラルに全部で16種類ありますが、うち13種類が厚生労働省によって、摂取基準が発表されています。(2021年9月現在)
なので、今回はこれらの13種類について、以下の3種類に分類してご紹介します。
- 不足しがちなミネラル
- 摂り過ぎ注意のミネラル
- 不足や摂り過ぎの心配が少ないミネラル
不足しがちなミネラル
カリウム
働き | 余分な塩分を体外に排出する |
効果 | 高血圧の抑制 |
食材 | 昆布、ブロッコリー、かぼちゃ、ほうれんそう、など |
カリウムは塩分調整の機能があるため、以下の方は意識的に摂取した方が良さそうです。
- 血圧が気になる人
- 普段、塩分多めの食事を摂ってる人
腎機能が正常な方であれば、カリウムを多少摂りすぎても体内で調節ができるため、摂り過ぎを心配する必要はありませんが、腎機能が低下している方は摂取量に注意が必要です。
かかりつけ医の指示に従い、必要に応じてカリウム摂取量を制限するようにしましょう。
カルシウム
働き | 歯や骨を作る |
効果 | 骨粗しょう症の抑制 |
食材 | 小魚や乳製品、大豆製品など |
これは誰でも知ってるミネラルですね。
カルシウムが不足すると、カルシウム濃度を一定にキープするために、骨に貯蓄されていたカルシウムが溶け出すと言われています。
そのため、骨が十分に成長しなかったり、骨が脆くなり、骨粗しょう症になってしまうリスクが上がります。
また、カルシウムはビタミンDが不足すると吸収効率が落ちてしまうため、カルシウムを効率的に摂るためには、ビタミンDも併せて摂ることがおすすめです。
※ビタミンについて、詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
サプリメントなどでカルシウムを過剰に摂取すると、他のミネラルの吸収を妨げてしまうなど、健康に悪影響が出ることもあるため、摂取量には注意が必要です。
鉄
鉄が不足してしまうと、貧血になってしまうことは有名ですね。
鉄が不足して貧血になると、集中力が低下してしまったり、頭痛が起きてしまったりします。
これは、 鉄が人間の赤血球の「ヘモグロビン」に多く含まれており、鉄が不足することでヘモグロビンが減ってしまい、体内に酸素を運搬する働きが弱くなってしまうからです。
サプリメントなどで過剰に摂取すると、便秘や胃腸の障害が生じる可能性があるため、摂取量には注意が必要です。
亜鉛
働き | 体内の酵素の材料となる |
効果 | ・味覚障害の予防 ・抗酸化作用の強化 ・免疫力の向上 ・抜け毛や薄毛、肌トラブルの改善 |
食材 |
牡蠣(かき)、パルメザンチーズ、煮干し、豚レバー、 |
亜鉛は、カラダの化学反応を助ける様々な酵素の材料となります。
したがって、亜鉛の働きは多岐に渡るため、不足あるいは過剰摂取することで様々な影響があります。
■味覚障害の予防
亜鉛は、舌にある「味蕾(みらい)」という受容器官の材料となるため、不足すると味覚障害のリスクが高まります。
■抗酸化作用の強化
亜鉛は、抗酸化用を持つビタミンAを活性化を促し、活性酸素である過酸化脂質を抑制します。
※活性酸素の増加は老化を加速させる要因だと考えられています。詳細が知りたい方は以下をご覧ください。
■免疫力の向上
粘膜を保護するビタミンAを体の中にとどめる効果があり、のどの痛みや鼻水・鼻づまりなどの症状を緩和してくれます。
また、病気を引き起こす細菌を攻撃する白血球にも亜鉛が含まれているので、傷や病気の早期回復にも亜鉛は必要とされています。
■抜け毛や薄毛、肌トラブルの改善
タンパク質と合わせて亜鉛を摂取することで、全身の新陳代謝がより活性化されます。
皮膚や髪はタンパク質からできているため、亜鉛を摂取することで、タンパク質の代謝を促し、皮膚や髪のトラブル改善が期待できます。
マグネシウム
■エネルギー代謝の促進
マグネシウムは350種類以上といわれている酵素を活性させる働きを持っています。
酵素にはアミラーゼやリパーゼなどの消化酵素をはじめ、酸化酵素、エネルギー代謝酵素など、非常に多くの種類が存在しますが、マグネシウムは特にエネルギー代謝酵素に大きく関与しています。
そのため、マグネシウムが不足すると、基礎代謝の低下につながる可能性があります。
■筋肉形成の促進
マグネシウムは筋肉の動きに必要であることが分かっています。
カルシウムが筋肉を収縮させるのに対し、マグネシウムは筋肉を弛緩する働きがあり、マグネシウム不足時には、筋肉の痙攣が起きると言われています。
このような従来の働きに加え、筋肉形成の促進に効果があることが、最近の研究により明らかになったようです。
■便秘の予防
マグネシウムが食べ物と一緒に腸を通過する際、腸管からの水分吸収を高めてくれる性質により、便が柔らかくなる効果が期待できます。
摂り過ぎ注意のミネラル
ナトリウム
働き | 体内の水分調節 |
効果 | ・過剰に摂取すると、高血圧になるリスクが高まる ・不足すると、熱中症になりやすくなる |
食材 | 食塩や味噌などの塩分が効いた調味料 |
ナトリウムは、主に体液の中に存在しており、体液の浸透圧を調節することで、体内の水分を保っています。
そのため、ナトリウムが増えると、体内の血流が増え、血圧が高くなることから、高血圧のリスクが高くなる、と考えられています。
一方、ナトリウムは汗に含まれて体外へ排出されるため、夏場などの汗をかきやすい時期は、体内の水分不足が原因である熱中症に注意が必要です。
塩分の摂り過ぎが気になる方は、ナトリウムの調節機能を持つ「カリウム」を十分に摂取することをおすすめします。
リン
働き | ・エネルギーの生成と運搬 ・カルシウムやマグネシウムとともに骨や歯の形成 ・DNAや細胞膜など、カラダの重要な物質の成分になる ・神経の伝達や筋肉の収縮を補助 |
効果 | ・不足すると新陳代謝の低下 ・不足すると筋肉の衰えや体のだるさ |
食材 | 煮干し、しらす干し、そば、豚レバー、牛レバー、 鶏レバー、卵、など |
■エネルギーの生成と運搬
食事で摂った糖質や脂質、たんぱく質などは代謝を受けて、ATPというエネルギー物質に変換されます。
このATPの生成にリン(リン酸)が使われるため、リンが不足するとカラダの新陳代謝が落ちてしまうリスクがあります。
■骨や歯の形成
リンは、カルシウムと結合してリン酸カルシウムとなり、骨や歯をつくる主材料となります。
骨ではカルシウムの次に多く含まれるミネラルで、丈夫な骨や歯を保つために必要不可欠な成分です。
■過剰摂取は骨が脆くなる
リンは、現代の食生活では不足しにくく、むしろ摂り過ぎが問題になります。
その原因のひとつに、リンを多く含む食品添加物が加工食品や清涼飲料水などに使用されているからです。
リンはカルシウムの代謝と深く関係しており、リンの摂り過ぎはカルシウムの吸収を阻害すると言われています。
そのため、カルシウムの摂取量が低く、かつリンを過剰にとる食事を長期間続けた場合、骨量や骨密度が減ってしまうと考えられます。
丈夫な骨のために、カルシウムをしっかり摂ることは有名ですが、一方でリンを摂り過ぎないことも重要です。
セレン
通常の食生活では過剰摂取の心配はほとんどありませんが、セレンは毒性が強く、必要量と中毒量の差がとても小さいため、サプリメントなどで補う場合は、過剰摂取に注意が必要です。
慢性的に過剰摂取を続けると、脱毛や爪の変形、嘔吐や下痢、頭痛やしびれ、神経過敏などの症状が出る可能性があります。
不足や摂り過ぎの心配が少ないミネラル
普段、あまり意識的に摂取する必要がないミネラルのため、さらっと触れておきます。
銅 | クロム | マンガン | モリブデン | |
---|---|---|---|---|
働き | ・酸素の運搬 ・血液をつくる ・抗酸化酵素の材料 |
糖やコレステロールの代謝を助ける | 消化や代謝を担う酵素の活性化 | ・鉄の運搬 ・銅の排泄 ・代謝を担う酵素の材料になる |
効果 | ・貧血の予防 ・抗酸化機能の向上 |
ぶどう糖の効率的な代謝 | ・消化機能の維持、改善 ・エネルギー代謝の改善 ・骨格の正常な形成 |
・貧血の予防 ・糖質や脂質の代謝を助ける ・尿酸の代謝を助ける |
食材 |
牛レバー、いか、たこ、えび、 |
あおさ、梅干し、こんぶ、きくらげ、 ひじき、など |
シナモン、あおさ、しょうが、焼きのり、 くるみ、など |
納豆、枝豆、焼きのり、 豚レバー、牛レバー、鶏レバー、など |
こんな時はこのミネラルを
これまでのミネラルの特徴を踏まえて、パパ夫なりのミネラルの選び方をご紹介します。
体重維持や効果的に減量したい
体重維持や減量や目指すのであれば、基礎代謝を下げないことが重要です。
カラダの代謝機能を助ける、これらを意識的に摂取することをおすすめします。
牡蠣(かき)、パルメザンチーズ、煮干し、豚レバー、牛肩ロース、カシューナッツ、牛ひき肉、アーモンド、焼きのり、など
わかめ、こんぶ、ひじき、アーモンド、焼きのり、カシューナッツ、煮干し、ピーナッツ、など
クロム
あおさ、梅干し、こんぶ、きくらげ、ひじき、など
ナモン、あおさ、しょうが、焼きのり、くるみ、など
抜け毛や薄毛、肌トラブルが気になる
髪の毛や肌はタンパク質から作られるため、たんぱく質の活性化を促進する亜鉛がおすすめです。
牡蠣(かき)、パルメザンチーズ、煮干し、豚レバー、牛肩ロース、カシューナッツ、牛ひき肉、アーモンド、焼きのり、など
風邪を引きやすい
風邪を引きやすい方は、これらを食べて免疫力を上げましょう。
牡蠣(かき)、パルメザンチーズ、煮干し、豚レバー、牛肩ロース、カシューナッツ、牛ひき肉、アーモンド、焼きのり、など
外食や中食が多い
普段、自炊をあまりしない方は、塩分の摂り過ぎによる高血圧が心配なので、体内の塩分濃度を調整してくれるカリウムを摂取しましょう。
また、外食や清涼飲料水などにはリンが多く含まれており、リンの摂り過ぎはカルシウムの吸収を阻害するため、カルシウムも意識したいところです。
昆布、ブロッコリー、かぼちゃ、ほうれんそう、など
カルシウム
小魚や乳製品、大豆製品など
普段から貧血気味
貧血気味の方は、これらを意識に食べると改善する可能性があります。
鉄
豚レバー、鶏レバー、しじみ、牛レバー、あさり、小松菜、ほうれん草、など
銅
牛レバー、いか、たこ、えび、カシューナッツ、くるみ、アーモンド、ピスタチオ、など
納豆、枝豆、焼きのり、豚レバー、牛レバー、鶏レバー、など
血圧が高い
血圧が高めの方は、塩分摂り過ぎの可能性があるので、塩分を控えるとともにカリウムを意識的に摂りましょう。
昆布、ブロッコリー、かぼちゃ、ほうれんそう、など
さいごに
いかがだったでしょうか?
とりあえず、「何でも良いからカラダに良いものは?」という方は、色んな効果が期待できる以下の食材がおすすめです。
- レバー類(特に豚レバー)
- ナッツ類(くるみ、アーモンドがおすすめ)
- 乳製品
- 大豆製品
- まぐろ、かつお、などの青魚
- 海藻類
それでは、また!
<参考サイト>
栄養・食生活 | 用語辞典分類 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
ミネラル(無機質) | 炭水化物・糖質 | 栄養成分百科 | グリコ
---------------------------------------------------------------------------------
★パパ夫が情報収集する際に、気を付けていることをまとめてみました★