【老化対策】手軽に摂れるおすすめ食材10選!
「抗酸化って何だっけ?」
「抗酸化成分の多い食べ物を知りたい!」
「取り入れた方がいい成分に、優先順位ってあるの?」
いつまでも若々しくいたいものですよね。 先日、老化を加速させる「活性酸素」を取り上げた記事で、抗酸化成分を含む食材を紹介しました。
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「活性酸素ってなんだっけ?」と思った方は、本記事の前にぜひ以下をご覧ください。
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なのですが、抗酸化成分を含む食材って意外とたくさんあるんですよね。正直「これだけ食べとけば良いって食材無いの?」って思いました。
ということで、今回は老化を抑えたい人に向けて、筆者の独断と偏見によるおすすめの食材10選をご紹介します!
なお、前半部分では活性酸素の性質を押さえたうえで、抗酸化成分別のおすすめ食材をベスト3形式で紹介しています。
なので、「手っ取り早くおすすめ10選が知りたい!」という方は、後半部分に飛んでください。
活性酸素は1つじゃない
これまで「活性酸素」と一括りで語っていましたが、実は活性酸素には複数の種類があります。
ここでは、代表的な活性酸素を紹介します。
スーパーオキシド
三大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)をエネルギーに変える時に発生する活性酸素。体内で最も多く発生するが、酸化力は弱い。
過酸化水素
スーパーオキシドが、SOD抗酸化酵素に分解された後に生まれる活性酸素。スーパーオキシドあるいは金属元素と反応すると、ヒドロキシラジカルが生まれる。
ヒドロキシラジカル
毒性が最も強い活性酸素。過酸化水素とスーパーオキシドとの反応、あるいは過酸化水素と金属元素との反応で生まれ、がんや生活習慣病、慢性疾患、老化の直接的な原因となっている。
一重項酸素
毒性の強い活性酸素。紫外線を繰り返し浴びていると、皮膚の細胞中に大量に発生し、皮膚がんを強力に促す。
活性酸素はどうやって生まれる?
これらの活性酸素は相互作用する性質を持っているようなので、そのメカニズムを整理したいと思います。
- 酸素 ⇒ スーパーオキシド
- スーパーオキシド + 抗酸化酵素(SOD) ⇒ 過酸化水素
- 過酸化水素 + スーパーオキシド ⇒ ヒドロキシラジカル
- 過酸化水素 + 金属元素 ⇒ ヒドロキシラジカル
- 酸素 + 紫外線 ⇒ 一重項酸素
「ヒドロキシラジカル」および「一重項酸素」は非常に毒性が強いものの、人間のからだには、これらを無毒化する抗酸化機能を備えていません。
そのため、ヒドロキシラジカルおよび一重項酸素を無毒化する、抗酸化成分を体外から取り入れることが特に重要となります。
活性酸素ごとに効く抗酸化成分は違う
各活性酸素に有効だと考えられている抗酸化成分は以下の通りです。
※体内に備わっている抗酸化酵素(SODなど)は記載していません
- スーパーオキシド:ポリフェノール類、ビタミンC
- 過酸化水素:ポリフェノール類、ビタミンC
- ヒドロキシラジカル:ポリフェノール類、カロテノイド類、ビタミンE、ビタミンC
- 一重項酸素:ポリフェノール類、カロテノイド類、ビタミンE、ビタミンB2(ビタミンB群)
これだけを見ると、
これらを優先的に摂取しましょう! と言いたいところですが、、、
これらを踏まえると、本当は摂るべき抗酸化成分に優先順位を付けたいところですが、
結局、「抗酸化成分はバランス良く摂取しましょう」という結論が妥当かな、となりました。すみません(笑)
抗酸化成分別のおすすめ食材
抗酸化成分を持つ食材はいっぱいあり、「どれが良いか?」については、さまざまな考え方があると思います。
なので、今回は筆者なりの観点(独断と偏見)で、おすすめ食材を紹介したいと思います。
■選んだ観点
- 複数の情報源で共通して、抗酸化成分が高いと言われているか(※)
- 手に入りやすい食べ物か
- 手間なく取り入れられるか
※成分の含有量には、様々な測定法があり、なるべく偏りを防ぐため
ポリフェノール類
ポリフェノールにはさまざまな種類があり、同じ含有量でも成分の違いによって、どっちの方がカラダに良いか?は一概に言えないようです。
なので、今回は取り入れやすさに重きを置きました。
食べ物部門
🥇1位:ベリー類(いちご、ブルーベリー、ブラックベリーなど)
🥈2位:チョコレート(カカオ70%以上)
🥉3位:大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)
どれもすぐ食生活に取り入れられそうですね。ベリー類は冷凍ものがおすすめです!
飲み物部門
🥇1位:コーヒー
🥈2位:赤ワイン
🥉3位:緑茶
飲み物は割とどれも取り入れやすいので、1杯あたりの抗酸化成分量を重視しました。 お酒ならやっぱり赤ワインが良いようです。
カロテノイド類
毒性の強い「一重項酸素」に対して、より高い抗酸化力を持っていると言われている「アスタキサンチン」を含む食材を上位にしました。
🥈2位:鮭、サーモン
🥉3位:トマト
そして、一説ではアスタキサンチンに次いで効果がある、と言われている「リコピン」を含むトマトが3位です。
ビタミンE
🥇1位:アーモンド
🥈2位:ぶり、はまち
🥉3位:こめ油
アーモンドやクルミなどのナッツ類は、最強のおやつだと思います! また、こめ油はクセが無いので、サラダ油などの代わりに使うのがおすすめです!
ビタミンC
ビタミンCの含有量を重視して選んでみました。
🥇1位:パプリカ
🥈2位:キウイ(黄色)
🥉3位:ブロッコリー
ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱い性質をもっているので、食べ方に注意が必要です。
パブリカ・キウイは生で食べて、ブロッコリーは電子レンジ調理や蒸して食べるのがおすすめです!
ビタミンB2
🥇1位:レバー(特に豚レバーが豊富)
🥈2位:焼きのり
🥉3位:アーモンド
ビタミンB2の含有量はレバーが圧倒的です。定食屋でこだわりが無い人は、「ニラレバ定食」一択ですね。
筆者のおすすめ食材10選
パパ夫が日常的に取り入れている、お手軽食材はこれです!!
- 冷凍ベリー類:スーパーで買って、ヨーグルトに混ぜてます
- 納豆、豆腐:すぐ食べられるので重宝してます
- サーモン:家族で回転ずしに行ったときにおすすめ
- ぶり、はまち:家族で回転ずしに行ったときにおすすめ
- 高カカオチョコレート:おやつに最適
- アーモンド:おやつに最適
- 赤ワイン:お酒が好きなもので
- コーヒー:朝と昼に飲んでます
- こめ油:サラダ油からこれに変えました
- ブロッコリー:ビタミンCの他にも、メリットがエグい!
さいごに
いかがだったでしょうか?
からだに良いからと言って、嫌いなものまでムリに食べなくてもいいじゃないかなーと思ってるので、メニュー選びなどで、特にこだわりが無いときの参考になれば嬉しいです。
それでは、また!
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【身体、サビてませんか?】あなたをジワジワ老けさせる「活性酸素」の正体!!
「最近、なんだか体調が良くないな~」
「抗酸化作用って聞いたことあるけど、なんだっけ?」
「シミやシワが気になる」
先日、「コレステロール」との良い付き合い方を紹介しました。その際に、結局大事なのは「活性酸素を減らすこと」だとお伝えしました。
(興味のある方は、ぜひ以下をご覧ください)
そこで今回は、
これらの3点をご紹介したいと思います。
■この記事のポイント
- 活性酸素はからだの免疫機能を支える大事な物質だが
- 活性酸素が増えすぎると、酸化ストレスが溜まってしまう
- 酸化ストレスが溜まると、色んな病気の引き金になる
- 酸化ストレスを溜めないために、抗酸化機能を高めることが大事
活性酸素ってなに?
「活性酸素」とは、呼吸で体内に取り込まれた酸素の一部が、通常の状態よりも活性化されて、体内の様々な物質を酸化させやすい状態の酸素です。
人間を含めた哺乳類は、取り込んだ酸素の数%が活性酸素に変化する、と考えられています。
活性酸素は殺菌力が強く、体内では細菌やウイルスを撃退する役割をしていますが、数が増えすぎると、正常な細胞や遺伝子を攻撃(酸化)してしまう、という性質を持ちます。
活性酸素は白血球のパートナー
悪者扱いされがちな活性酸素ですが、実は免疫機能において、非常に重要な役割を持っています。
免疫と言えば白血球と思いがちですが、実はこの白血球は活性酸素と手を組んで、活性酸素の毒を武器に、体内に入ってきた敵と戦っているのです。
なので、「活性酸素は適量が大事」、このことを覚えておきましょう!
活性酸素が増えすぎるとどうなる?
活性酸素は、体内で常に作られていますが、増え続けることはありません。
それは、人間のからだには、活性酸素から体内の物質を守る、抗酸化機能を備えているからです。
抗酸化機能により、発生した活性酸素を除去したり、ダメージを受けた細胞の修復や再生が行われています。
通常、活性酸素と抗酸化機能はバランスしている状態ですが、何らかの原因で活性酸素が増えたり、抗酸化機能が低下すると、そのバランスが崩れてしまいます。
バランスが崩れて、活性酸素の悪影響で細胞が傷ついてしまうことを、「酸化ストレス」と呼んでいます。
この酸化ストレスの増加が、「老化やがん、しわ、しみ、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病」の原因だと考えられています。
酸化ストレスの影響は?
酸化ストレスは体内の様々な場所で発生します。
酸化ストレスが高い状態が続くと、細胞内のDNAやたんぱく質、脂質、糖質など、からだを構成するあらゆる物質が酸化されていきます。
老化を促進
年をとると誰でも、シワや白髪が増えますよね。
また、集中力が落ちたり、疲れやすくなったりする方も多いと思います。いわゆる「老化」と呼ばれる症状ですね。
老化が進む原因の一つが、酸化ストレスだと言われています。
見た目が実年齢よりかなり若く見える人っていますよね?このような人は、酸化ストレスの度合いが低いと考えられます。
つまり、見た目を若くしたかったら、酸化ストレスを抑えましょう!ということです。
さらに、人間に備わっている抗酸化機能は、20代をピークに加齢によって徐々に低下していき、40歳代から急激にその働きが衰えることが分かっています。
そのため、早いうちから意識的に抗酸化機能を高めておくことがとても重要になってきます。
病気になるリスクが高まる
これまでの研究により、様々な病気において、酸化ストレスで変化した物質が、体内の発症した箇所に蓄積していることが分かってきたようです。
例えば糖尿病では、酸化された糖とたんぱく質が結合し、異常な糖化たんぱく質が増えていることが分かっています。
また、動脈硬化が進行している血管では、酸化された脂質が蓄積し、血管が狭くなることで、血液が流れにくくなっています。
さらに、アルツハイマー病やパーキンソン病など、高齢者に多く見られる脳疾患においても、酸化したたんぱく質などが脳内に蓄積していることが分かっています。
そして、酸化ストレスによってダメージを受けた細胞は、やがて「がん」になります。
酸化ストレスを減らすには?
酸化ストレスを放置すると、かなり危険なことが分かりました。
「じゃあどうしたらいいの?」ということで、なるべく酸化ストレスの蓄積を抑えるために、以下の方法をご紹介します。
- 必要以上に活性酸素を発生させない
- 抗酸化機能(抗酸化力)を高める
ここに挙げる方法は一般的に言われている方法であり、本記事でその効果を保証するものではありません。
それぞれの方法をご自身で試していただき、自分のからだに合うかどうか、各自ご判断いただければと思います。
抗酸化成分を体内に取り込む
食べ物の中には、活性酸素の働きを抑える「抗酸化成分」を含むものがあります。
このような抗酸化成分を持つ食べ物を習慣的に食べましょう。
ポリフェノール
- アントシアニン(赤ワイン、ぶどう、ブルーベリーやいちごなどのベリー類、黒ごま)
- イソフラボン(大豆、納豆、豆腐、豆乳、きな粉)
- ケルセチン(玉ねぎ)
- カテキン(緑茶、りんご、ぶどう、大豆)
- テアフラビン(紅茶)
- セサミン、セサミノール(ごま)
- クルクミン(ウコン)
- クロロゲン酸(コーヒー)
- フェルラ酸(米ぬか)
硫黄化合物
- システインスルホキシド類のアリシン(にんにく)
- イソアリシン(ネギ類)
カロテノイド
- α-カロテン(人参の葉、黄ピーマン)
- β-カロテン(人参、ほうれん草、小松菜)
- β-クリプトキサンチン(温州みかん、パプリカ、柿)
- リコピン(トマト、すいか)
- アスタキサンチン(サケ、イクラ、エビ、カニ、真鯛)
- ルテイン(アボカド、ほうれん草、小松菜、モロヘイヤ、ケール)
ビタミンB群
ビタミンBにはたくさんの種類がありますが、中でもビタミンB6が特に抗酸化作用があると言われています。
ただし、ビタミンB6単体で摂取してもからだは上手に活用することができません。
ビタミンB群と呼ばれる「ビタミンB1、B2、ナイアシン、パテント酸、B6、B12、葉酸、ビオチン」を複合的に摂取する必要があります。
(サプリもビタミンB群という形で売られていますね)
ビタミンB群は肉や魚に多く含まれており、特に豚レバーや牛レバー、鶏レバーなどに豊富に含まれています。
ビタミンC
美肌に良いと言われている、ビタミンC(アスコルビン酸)も抗酸化作用のある栄養素です。
レモン等の柑橘類やブロッコリーに豊富に含まれています。
熱に弱く、水によく溶ける性質があるため、なるべく生で食べることで、効率よく栄養を摂取することができます。
食品例:柿、キウイ、赤ピーマン、いちご、オレンジ、ブロッコリー、カリフラワー、レモン、さつま芋など
ビタミンE
ビタミンEにも活性酸素を抑える働きがあり、血管を酸化から守る効果があります。
アーモンドなどのナッツ類のほか、うなぎにも豊富に含まれています。
食品例:アーモンド、ニジマス、ヘーゼルナッツ、うなぎ、かぼちゃ、落花生、モロヘイヤなど
コエンザイムQ
ビタミンの働きを助ける成分です。強い抗酸化力があり、アンチエイジングに役立つと言われています。
食品例:いわし、サバ、牛肉、豚肉など
ミネラル
- 亜鉛(牡蠣、牛肉、豚肉、うなぎ、ラム肉、いわしの丸干し)
- 銅(牛レバー、ホタルイカ、イイダコ、干しエビ、ココア、牡蠣、カシューナッツ)
- セレン(マグロの刺身、ワカサギ、長ネギ、ホタテ貝、しらす干し、いわしの丸干し)
- マンガン(栗、ヘーゼルナッツ、玄米ご飯、そば、松の実、アーモンド、干し柿、生姜)
ここで挙げた成分は、無制限に取り込むほど良い、というものではありません。
過剰に摂取することで、逆にからだに悪影響を与える場合もあります。
また、活性酸素にはいくつかの種類があり、その種類によって、効果のある抗酸化成分は異なります。
そのため、特定の成分を摂取するのではなく、バランス良く食生活に取り入れることをおすすめします。
ここでは、抗酸化成分を含む食べ物を網羅的に紹介しました。
「食べ物が多すぎて、結局どれを食べたらいいの?」と迷った方は、筆者のおすすめ食材を以下にまとめているので、良かったらご覧ください。
生活習慣を変える
タバコを控える
タバコは有害物質を吸い込むことになります。
そのため、吸い込んだ有害物質を攻撃する活性酸素を、大量に発生させることになってしまいます。
また同時に、抗酸化成分であるビタミンCを壊すようです。
アルコールをとり過ぎない
肝臓がアルコールを分解するときに活性酸素が発生します。
お酒が好きな人、アルコールに弱い人は、特に注意が必要です。
軽い運動をする
ウォーキングや水中歩行程度の軽めの運動は、抗酸化機能の働きを高め、からだの酸化を抑えます。
最近話題の「HIIT」はどうなんでしょうか?追って、別記事にまとめたいと思います。
紫外線を避ける
紫外線に当たると、皮膚細胞で活性酸素が生成され、シミやシワの原因になります。
- 外出時は帽子をかぶる
- 日傘を使う
- こまめに日焼け止めを塗る
- 日光に長時間当たらない
などの紫外線対策が有効です。
汚い空気を避ける
結局、からだに悪いものが体内に入ると活性酸素が増える、という構造です。
そのため、汚染された空気を避け、なるべくきれいな環境に身を置いた方が良い、ということになります。
さいごに
今回まとめてみて思ったのは、「意外と、対策は良く耳にすることだな」でしたが、みなさまはいかがでしょうか?
すぐに出来そうなことから、徐々に取り入れていくことをおすすめします。
今回の記事がみなさまの参考になれば嬉しく思います。それではまた!
< 次はこちらへ >>>>>>>>
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コレステロールは悪者じゃない!知らないと損するコレステロールとの付き合い方
「コレステロールってからだに悪いんでしょ?」
「善玉とか悪玉って聞いたことあるけど、何が違うの?」
「お肉は食べすぎたら、ダメなんでしょ?」
美味しいお肉はたくさん食べたいけど、コレステロールの摂り過ぎは気になりますよね。
でも、実はコレステロールを摂っても、体内のコレステロール量はそこまで変わらないって知ってました?
というわけで今回は、以下の流れでまとめたいと思います。
■今回の記事で伝えたいこと
本記事の内容は、万人に効果を保証するものではありません。
ご自身の体調を踏まえたうえで、取り入れるかどうかを各自ご判断ください。
健康面に不安のある方は特に、医療機関の受診およびかかりつけ医とのご相談をおすすめします。
- コレステロールとは?
- コレステロールはからだに必要な物質
- 食事のコレステロール摂取量UP ≠ 血液中のコレステロール量UP
- 善玉コレステロールと悪玉コレステロールの違いは?
- コレステロールが健康に与える影響
- コレステロールとの付き合い方
- 遺伝的にLDLコレステロールが高い人もいる
- 最後に
コレステロールとは?
人間の血液中を流れる脂質は、以下の4種類に分かれており、コレステロールはこれら4種類のうちの1つです。
コレステロール
細胞膜を構成する成分であり、様々なホルモンや消化液の1種である胆汁酸の材料にもなる。
リン脂質
細胞膜を構成する成分であり、脂質が血液中を移動する際にタンパク質と結び付ける役割も持つ。
中性脂肪
分解されてエネルギーとして利用されるもの。余剰分は皮下脂肪や内臓脂肪として貯蔵される。
遊離脂肪酸
皮下脂肪や内臓脂肪から放出された中性脂肪が分解されたもの。エネルギーとして消費される。
コレステロールはからだに必要な物質
コレステロールは悪者扱いされがちですが、以下に挙げる物質等の材料となるため、悪者どころか欠かすことのできないものと言えます。
細胞膜の材料になる
コレステロールは、リン脂質とともに細胞膜の材料になります。
人間の細胞は常に古い細胞が死に、新しい細胞に入れ替わっているため、新しく生まれてくる細胞を作るためにもコレステロールは欠かせません。
また、がん細胞を退治してくれる免疫細胞の膜も、コレステロールが材料になっています。
ホルモンの材料になる
コレステロールは様々なホルモンの材料となります。
男性ホルモンや女性ホルモンのほか、糖やたんぱく質、脂質の代謝に関与するコルチゾールもコレステロールから作られています。
ビタミンDの材料になる
免疫機能を高める(?!)ことで注目を浴びているビタミンDも、紫外線を浴びることで、コレステロールから作られています。
胆汁酸の材料になる
消化液の一種である胆汁酸も、コレステロールから作られています。
食事のコレステロール摂取量UP ≠ 血液中のコレステロール量UP
コレステロールは、体内で合成できる物質です。
血液中のコレステロールの2割~3割が体外からとり入れられ、7~8割は糖や脂肪を使って肝臓などで合成されています。
食事のコレステロール摂取量が増えると、肝臓でのコレステロール合成量は減少し、逆に食事から摂取する量が少ないと、コレステロール合成量が増加します。
つまり、食事のコレステロール摂取量に合わせて、体内で合成されるコレステロール量がコントロールされているため、コレステロールを含む食品を食べてはいけない、というわけではありません。
善玉コレステロールと悪玉コレステロールの違いは?
コレステロールは血液中に入ると、たんぱく質と結合して「リポたんぱく質」という物質になり、血液に溶け込める様になった状態で全身に運搬されます。
リポタンパク質には、肝臓で合成されたコレステロールをからだ全体に運ぶ役割を持つ「LDL(低比重リポタンパク質)」と、体内の血管壁にたまったコレステロールを肝臓に運ぶ役割を持つ「HDL(高比重リポタンパク質)」があります。
悪玉(LDL)コレステロール
LDLはからだ全体にコレステロールを運んでいます。
運ばれたコレステロールが血管壁に蓄積されてしまうと、動脈硬化になってしまう可能性が高まることから、「悪玉」と呼ばれています。
悪玉コレステロールと呼ばれてはいますが、その役割が健康リスクに繋がっているだけで、悪玉コレステロール自体がからだに悪いわけではありません。
善玉(HDL)コレステロール
HDLは、からだ全体の血管壁から、コレステロールを肝臓に回収する役割を持ち、 回収されたコレステロールは肝臓でリサイクルされ、一部は胆汁酸の材料にもなります。
からだ中の余ったコレステロールを回収することで動脈硬化の抑制に繋がることから、「善玉」と呼ばれています。
コレステロールが健康に与える影響
コレステロールが余る
コレステロール自体はからだに必要な物質ですが、善玉コレステロールと悪玉コレステロールのバランスが大事になります。
悪玉コレステロールが増えすぎると、体内のコレステロール量が過剰になるため、悪玉コレステロールが余ってしまいます。
コレステロールが余るとどうなる?
余った悪玉コレステロールは血管壁に溜まっていき、体内の「活性酸素」と結びつくことで酸化されます。
酸化されたコレステロール(酸化LDLコレステロール)は血管壁に吸収されやすく、これが増えていくことで、「プラーク」と呼ばれる塊が作られます。
プラークが増えると、血管の壁がどんどん分厚くなっていき、血管が硬くなって弾力性が失われた状態、つまり「動脈硬化」が進行してしまいます。
さらに最近分かってきたのが、超悪玉と呼ばれる「小型LDLコレステロール」の存在です。
まだまだ解明されていない点が多い小型LDLコレステロールですが、
これらの可能性が指摘されています。
動脈硬化が進行するとどうなる?
動脈硬化が進行し、血管の壁がプラークでどんどん分厚くなると、血管が詰まりやすい状態になります。
プラークは柔らかくて壊れやすい性質を持っており、プラークが破れると、破れた部分を修復するために、血液成分の一つである「血小板」が集まってきて、「血栓」ができます。
この血栓が大きくなって動脈が詰まってしまうと、血液がその先に流れなくなってしまうため、血流が届かない組織や臓器が壊死してしまいます。
脳動脈が詰まれば脳梗塞、心臓の冠動脈が詰まれば心筋梗塞、といったように、血管が詰まることで、重大な病気を発症してしまいます。
悪玉コレステロールは少なすぎてもダメ
悪玉コレステロールの多いケースが注目されがちですが、逆に少なすぎると、病気の疑いがでてきます。
などなど
これらの病気になると、結果として悪玉コレステロールが低下するようですので、健康診断などで悪玉(LDL)コレステロールが基準値を下回っていた場合は、すぐに病院に行きましょう。
コレステロールとの付き合い方
ここまでの内容で、コレステロールが健康に与える悪影響は「動脈硬化」であり、余ったコレステロールが酸化することで、動脈硬化が進行し、動脈硬化が様々な病気を引き起こす、ということが分かりました。
このことを踏まえると、コレステロールとの付き合い方において、大事なポイントとしては以下の2点になります。
さらにコレステロールがどれだけ余ろうと、それが酸化するかどうかが重要になってくるため、特に2点目の対策が効果的なのではないか、と筆者は考えます。
コレステロールを余らせない
コレステロールを余らせないためには、以下の方法が考えられます。
コレステロールの回収機能を高める
コレステロールの回収機能を高めるためには、善玉コレステロールを増やすことが重要になります。
善玉コレステロールを増やす食材というのは、今のところ見つかっていないようで、ウォーキングなどの有酸素運動が有効な方法となるようです。
運動によって善玉コレステロールが上がる理由は諸説あり、詳細はまだ明らかになっていませんが、ウォーキングの歩数が多いほど、善玉コレステロール値が高い傾向があることを確認した、という研究もあるようです。
ただし、1度運動したからと言って、それで善玉コレステロールが増える、というわけではないため、あくまでも定期的に運動することが効果的であることに、注意が必要です。
コレステロールの運搬機能を抑える
悪玉コレステロールを減らす、あるいは悪玉コレステロールの増加を抑える方法として、以下が有効だと考えられています。
- オレイン酸(オリーブオイルやアーモンド、マカダミアナッツなど)を摂取する
- DHAやEPA(アジやイワシ、サバなどの青魚)、α-リノレン酸(エゴマ油やアマニ油など)といった、オメガ3脂肪酸を摂取する
- 豆腐や納豆などの大豆製品を摂取する
- タウリン(イカ、タコ、エビ、貝類など)を摂取する
- トランス脂肪酸が含まれるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子を控える
- サラダ油など、トランス脂肪酸が含まれる油が使われている揚げ物を控える
- タバコを控える
※これらの中で、「効果が無い」と言われているものもありますが、逆効果わなけではないので、「試す価値あり」という位置づけで載せています
悪玉コレステロールを抑えるためには、からだに良い油を摂取して、悪い油を控えることが重要となります。「良い油って何?」「悪い油って何?」が知りたい方は以下の記事をご覧ください。
実はお肉はコレステロールを下げる?!
これまで動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸は、悪玉コレステロール値を上昇させる、という説をよく耳にしていました。
ところが、以下のサイトでは、お肉の主要な飽和脂肪酸であるパルミチン酸には、これまで言われてきた悪玉コレステロールの上昇作用はないこと、またステアリン酸には悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やす働きがあることも確認した、との情報が発信されています。
※「コレステロールと脂肪酸の関係」参考
こちらのサイトでは、研究内容などの一次情報が確認できないですし、サイトを運営している機関の立ち位置も不明なため、正直、確からしさは判断できません。。
ただ、その他にも「お肉がコレステロールを上げるエビデンスは無い」と主張する医療関係者や研究者もいるようです。
また、加齢とともにタンパク質不足が問題になるため、むしろ高齢の方は、積極的にお肉を食べた方がからだに良い、と発信している医療関係者もいます。
これらを踏まえると、「お肉はからだに悪いから食べない」ではなく、「食べ過ぎない程度に適度に楽しむ」というスタンスで、お肉以外のことに特に注意すれば良いのでは?と筆者は思うのですが、みなさまはいかがでしょうか?
余ったコレステロールを酸化させない
LDLコレステロールを増やさないことも大事ですが、こちらの対策をより優先した方が効果的かと思います。
活性酸素を減らす
活性酸素と結びつくことで、LDLコレステロールが酸化されます。
そのため、酸化を防ぐためには、活性酸素を減らすことが重要であり、活性酸素を減らすためには、活性酸素を除去する「抗酸化力」を高める必要があります。
抗酸化力はちょっとしたことを意識するだけで高めることができます。「じゃあどうやって?」が気になった方は以下の記事をご覧ください。
中性脂肪を減らす
中性脂肪が多いと、悪玉コレステロールが小型化されやすくなり、小型の悪玉コレステロールは酸化されやすい、という説がありました。
そのため、中性脂肪を適切な量でコントロールすることも考える必要があります。
さきほどの抗酸化力と同様に、中性脂肪についてもけっこうな情報量になるため、追って別記事にまとめたいと思います。
遺伝的にLDLコレステロールが高い人もいる
生活習慣が良好でも、遺伝的な要因により、LDLコレステロールが高い人もいます。
「家族性高コレステロール血症」と呼ばれ、通常であればLDLコレステロールは肝臓で処理されますが、遺伝子の異常によって、肝臓での処理がうまくできない、という病気です。
遺伝的にLDLコレステロール値が高い場合は、若い時から動脈硬化が進んでしまい、心筋梗塞や狭心症といった心臓病を発症する人も少なくないようです。
ですので、血縁者のなかに心筋梗塞や狭心症、脳梗塞など、動脈硬化が一因となる病気を発症した方がいる場合は、例え健康診断のLDLコレステロール値が基準内に収まっていたとしても油断せずに、生活習慣に気を付けることをおすすめします。
最後に
いかがだったでしょうか?
わたし自身は、
「コレステロール自体はからだに必要な物質ではあるものの、きちんとからだに与える影響を理解したうえで、適切な距離感で付き合おう」
ということが勉強になりました。
今回も、みなさまの参考になれば嬉しく思います。
それでは、また!
< 次はこちらへ >>>>>>>>
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★情報収集のやり方に自信が無い方はこちら★
【トランス脂肪酸で今知っておくべきこと】実はマーガリンよりバターの方がトランス脂肪酸が多い?!
「トランス脂肪酸って何がからだに悪いの?」
「えっ、バターにもトランス脂肪酸が入ってるの?!」
「結局、トランス脂肪酸は食べない方がいいの?」
「トランス脂肪酸ってからだに悪いんでしょ?」ってよく言われますが、「何が悪いのか?」みなさまはご存じでしょうか。
以前、「良い油と悪い油」というテーマで、油に関する記事をまとめたのですが、今回はその中から「トランス脂肪酸」を掘り下げる記事となります。トランス脂肪酸の悪影響を調べたうえで、「じゃあどうしたらいいの?」をまとめてみました。
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その前に「良い油と悪い油が気になった」という方は以下の記事をご覧ください。
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■この記事のポイント
- トランス脂肪酸とは?
- トランス脂肪酸ってなにが悪いの?
- 海外ではトランス脂肪酸に関する規制が強化されている
- じゃあ、日本の対応は?
- マーガリンよりもバターの方がトランス脂肪酸が多い
- 結局大事なのは、脂質全体の摂取量をコントロールすること
- まとめ(筆者の提案)
トランス脂肪酸とは?
トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸に分類される脂肪酸の一種であり、天然で食品中に含まれているものと、油脂(油)を加工・精製する工程で発生するものがあります。
天然でできるもの
牛や羊などの反芻(※1)動物では、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。
そのため、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中には微量のトランス脂肪酸が天然で含まれています。
※1反芻(はんすう)・・・一度飲み込んだ食べ物を再び口の中に戻して、再咀嚼(さいそしゃく)すること
油脂の加工・精製でできるもの
常温で液体の植物油や魚油に水素を添加することで、半固体又は固体の油脂を製造する加工技術があります。
この水素を添加する、という工程でトランス脂肪酸ができます。
この水素添加された油脂(部分水素添加油脂)は、マーガリンやファットスプレッド、ショートニングなどで使われています。
また、それらを原材料に使っている、パンやケーキ、ドーナツなどの洋菓子には、トランス脂肪酸が含まれることになります。
また、植物や魚からとった油を精製する際に、臭いを取り除くために高温で処理する工程があり、この工程でトランス脂肪酸ができることがあります。
そのため、サラダ油などの精製した植物油にも、トランス脂肪酸が含まれているものがあります。
トランス脂肪酸ってなにが悪いの?
トランス脂肪酸は、悪玉コレステロール(LDL コレステロール)を増加させて、善玉コレステロール(HDL コレステロール)を減少させる作用があります。
その結果、動脈硬化による心筋梗塞や狭心症といった心臓の病気、脳梗塞のような脳の病気になる可能性を高める、と言われています。
海外ではトランス脂肪酸に関する規制が強化されている
病気になる、って言われたら「もう食べない」の一択になるんじゃないかと思いますよね。
海外はその方向で動いているみたいです。
世界的な動き
2003年にWHO(世界保健機関)は生活習慣病を防ぐために、脂質のうち、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸については上限量を設定し、それより多くとらないようにすることを目標としました。
トランス脂肪酸については、摂取量を総摂取エネルギーの1%に相当する量よりも少なくすることを目標としています。
また2018年5月14日、WHOは油脂加工から生成されるトランス脂肪酸(トランス型不飽和脂肪酸)を世界の食品から撲滅することを目指して、独自ガイド「REPLACE」を発表しました。(ガイドの内容は割愛します)
この流れを受けて、アメリカやカナダなどの国は、2018年から部分水素添加油脂(PHO)を禁止しており、タイも2019年の1月にPHOを禁止しました。
これらの国の食品メーカーは、人工的なトランス脂肪酸から不飽和油などの健康的な油に切り替えて製造をしているようです。
また、アルゼンチン、中国、サウジアラビアなどでは、包装食品の栄養成分表示にトランス脂肪酸の含有量を表示することが義務付けられています。
アメリカの動き
「部分水素添加油脂」の使用を規制しています。
〇加工食品中のトランス脂肪酸の含有量の表示を義務化
〇部分水素添加油脂の食品への使用を許可制に変更(これまでは無許可で使用可能)
※トランス脂肪酸そのものではなく、あくまでも規制対象は「部分水素添加油脂」であることに注意
〇特定の方法で「部分水素添加油脂」を使いたい場合は、その方法での使用許可を得る必要がある
※「米国:農林水産省」より引用
EUの動き
食品中のトランス脂肪酸の含有量を規制しています。
〇水素添加油脂を使用した食品の原材料表示では、それが完全水素添加油脂あるいは部分水素添加油脂のどちらであるのかを表示しなくてはならない
〇消費者向けに販売される食品中のトランス脂肪(天然由来のものを除く)は、脂質100 gあたり2 gを超えないようにしなければならない
〇消費者向けまたは小売業者向けではなく、事業者間で取引される食品中のトランス脂肪酸が上記の基準値を超えている場合には、供給元の事業者はその旨を供給先に知らせなくてはならない
また、トランス脂肪酸のみではなく、飽和脂肪酸も含めた規制を行っています。
以下の要件を満たす場合に、低飽和脂肪酸、又はこれに類する表示が可能
〇食品が固体の場合には、食品100 gあたりの飽和脂肪酸とトランス脂肪酸との合計が1.5 gを超えないこと
〇食品が液体の場合には、食品100 mlあたりの飽和脂肪酸とトランス脂肪酸との合計が0.75 gを超えないこと
〇食品が固体であっても液体であっても、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸とをあわせたエネルギー量が、その食品のエネルギー量の10%を超えないこと
以下の要件を満たす場合に、飽和脂肪酸フリー(飽和脂肪酸を含まない)、またはこれに類する表示が可能
※「EU:農林水産省」より引用
じゃあ、日本の対応は?
WHOが掲げるトランス脂肪酸の摂取目標(総摂取エネルギー量の1%以内)を、日本は下回っていることを背景として、2021年8月現在、日本ではトランス脂肪酸に関して、特に規制は設けていません。
また、食品メーカーに対しては、トランス脂肪酸の自主的な低減や情報開示を促すスタンスをとっています。
実際に、日本の食品中に含まれるトランス脂肪酸の量は、食品メーカーの自主的な取り組みにより、減少傾向になっている食品があるようです。
※「平成26・27年度調査結果(穀類加工品、乳類、油脂類、菓子類、嗜好飲料類、調味料・香辛料類、調理加工食品):農林水産省」参考
日本に規制が無い背景は、日本人の平均的なトランス脂肪酸の摂取量が、WHOが掲げる目標値を下回っている、ということになりますが、これってどうなんでしょう?
まず、日本のトランス脂肪酸摂取量の調査が行われたのは、平成26年(2014年)ということで、今はどうなんだろう?という疑問が沸きます。
さらに、今回の調査で分かった、日本人のトランス脂肪酸の摂取量は、あくまでも平均値なので、当然平均値よりも多く摂取している人がいるということです。
ですので、日本は規制しているわけではありませんが、トランス脂肪酸を含んでいるものをよく食べる人はやはりリスクがある、ということに注意が必要です。
マーガリンよりもバターの方がトランス脂肪酸が多い
実は今回、わたしが一番驚いたのがバターにもトランス脂肪酸が含まれていて、さらにマーガリンよりも含有量が多い、という情報でした。
※「トランス脂肪酸のご心配について 食品製品 事業内容 ミヨシ油脂株式会社」参考
ただ、この情報をそのまま受け取ると、「バターよりもマーガリンの方が良いの?」となってしまうので、注意が必要です。
バターとマーガリンのトランス脂肪酸含有量は、農林水産省が出している情報(平成26・27年度調査結果(穀類加工品、乳類、油脂類、菓子類、嗜好飲料類、調味料・香辛料類、調理加工食品):農林水産省)がもとになっているようなのですが、よくよく見ると、
- マーガリン 中央値:0.99、範囲:0.44~16(g / 食品100g)
- バター 中央値:1.7、範囲:0.65~5.8(g / 食品100g)
となっており、これらの中央値を比べてバターの方がトランス脂肪酸が多い、と言っているようです。
確かに、中央値を比べるとそう言えなくもないですが、注目すべきは中央値ではなく、範囲の方です。
マーガリンの範囲を見ると、最大16g含んでいた食品があったということが分かります。
つまり、これらの数字を見て、消費者として気を付けたいことは、「マーガリンはからだに悪い」とか、「バターよりもマーガリンを食べよう」ではなく、
マーガリンはものによって、トランス脂肪酸の含有量にばらつきがあるので、「マーガリンを買うときは、できるだけトランス脂肪酸が少ない商品を選ぼう」ということではないでしょうか。
さらに、バターに含まれるトランス脂肪酸は、マーガリンに含まれる人工的なトランス脂肪酸とは異なり、天然由来の成分です。
そのため、トランス脂肪酸の含有量だけに注目して、「バターよりもマーガリンの方が良い」と主張する人がいれば、注意が必要です。
トランス脂肪酸を規制している国においても、有害であるかまだ分かっていないことから、天然由来のトランス脂肪酸は規制の対象外としています。
結局大事なのは、脂質全体の摂取量をコントロールすること
トランス脂肪酸がからだに悪いと言われるのは、悪玉コレステロール(LDL コレステロール)を増加させて、善玉コレステロール(HDL コレステロール)を減少させる作用を持っていることが原因でした。
そして、悪玉コレステロールを増加させる作用を持つのは、飽和脂肪酸も同様です。
なので、せっかくトランス脂肪酸を控えても、飽和脂肪酸を大量に摂取していると、結局病気になるリスクは抱えたままとなります。
ただし、最近の研究だと、飽和脂肪酸のなかでもコレステロールを増加させるものと、そうではないものがあるようです。
コレステロールについて、以下の記事にまとめてみましたので、興味のある方はぜひご覧ください!
まとめ(筆者の提案)
これまでに調べた内容を踏まえて、わたしが実践していることは以下の通りです。
トランス脂肪酸が入っている商品は極力避ける
海外ではトランス脂肪酸の摂取量が比較的多い国が、摂取量を減らすために規制が行われており、日本ではWHOの目標値以下なので規制はしていないものの、食品メーカーがトランス脂肪酸の低減努力を行っている、という状況です。
この状況を踏まえると、少なくともトランス脂肪酸がからだに良くないことは明らかではないでしょうか。
なので、トランス脂肪酸を含む商品は極力食べない、というのがパパ夫の基本的なスタンスです。
トランス脂肪酸を含んでいる好きな商品はたまに食べる
とは言え、トランス脂肪酸を含んでいることが分かっていても、美味しいものは食べたいものです。
なので、ここは各自で判断する領域になると思いますが、わたしはどうしても食べたいものがあれば、それは何かのご褒美という扱いで、たまに食べるようにしています。
からだに良い油を摂取して、悪い油は摂取しない
結局これに尽きる気がしますが、大事なのはコレステロールを適正な範囲内でコントロールすること(高くても低くてもダメ)です。
なので、トランス脂肪酸だけ切り離して考えるのではなく、トランス脂肪酸は悪い油の1種という扱いをして、からだに良い油を積極的に摂取する、というスタンスでいたいと思っています。
いかがだったでしょうか? 今回の記事がみなさまの参考になれば、嬉しく思います。それではまた!
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【痩せない人必見】MCTオイルで痩せない人に絶対効く効果的な使い方
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「MCTオイルってなに?」
「MCTオイルって本当にやせるの?」
「MCTオイルって、いつどうやって飲んだらいいの?」
巷で話題のMCTオイルですが、まだまだ検証の余地が多いのか、様々な情報が飛び交っている印象です。
そこで、今回は
- 複数の情報源で共通している内容を中心に、
- MCTオイルがもつ効果をまとめつつ、
- そこから考えられるおすすめの使い方を紹介
こんな流れでまとめてみたいと思います!
■この記事はこんな人におすすめ
MCTオイルとは?
MCTとは、「Medium Chain Triglyceride(ミディアム チェーン トリグリセリド)」の頭文字をとったもので、日本語では「中鎖脂肪酸」と呼ばれ、油の1種です。
油の特性は、その主成分となる「脂肪酸」の種類や並び方によって異なります。
脂肪酸を物質の「長さ」によって分類すると、キャノーラ油、オリーブオイルやラードなどの一般的な油のほとんどに含まれる「長鎖脂肪酸」、
その約半分の長さの「中鎖脂肪酸」、さらに短い「短鎖脂肪酸」があります。
※油にはいろんな種類があり、その特徴に合わせて使い分けることが大事です。興味のある方はご覧ください!
中鎖脂肪酸(MCT)を含むオイルとしてはココナッツオイルやパームオイルがあります。
そして、「MCTオイル」はこれらのオイルからMCTだけを抽出して作った100%中鎖脂肪酸のオイルのことをいいます。
MCTオイルは他のオイルと何が違うの?
一般的な油よりも素早くエネルギーになる
脂っこいものを食べて、胃もたれする時ってありますよね?
私たちがよく摂取する油ものに含まれる脂肪酸のほとんどが「長鎖脂肪酸」であり、「長さ」が長いことから、エネルギー変換に時間を要する特性を持っています。
「長鎖脂肪酸」は小腸から消化・吸収されたあと、リンパ管や静脈を通って脂肪組織や筋肉、肝臓に運ばれ、必要に応じて分解・貯蔵されるのに対して、
「中鎖脂肪酸」は小腸からすぐに肝臓に入り、分解されます。
このように消化・吸収後の経路が異なるため、MCTは一般的な油に比べて、素早く分解され、短時間でエネルギーになります。
ケトン体の生成を促す
からだを動かすときだけでなく、脳や心臓、肺、消化器官など、からだの全ての器官が働くにはエネルギーが必要です。
体内には主に2つのエネルギーを作る方法(産生経路)を備えています。
それが「糖質」から「ぶとう糖」を作る産生経路と「脂肪」から「ケトン体」を作る産生経路です。
「ケトン体」経路では、からだに蓄えていた中性脂肪をもとに、肝臓で「ケトン体」が作られ、これらが筋肉や脳のエネルギーとして利用されます。
普段は「ぶどう糖」経路がメインで使われており、「ケトン体」経路は眠っている状態です。
しかし、体内のぶどう糖が不足すると、エネルギーが生成できなくなるため、「ケトン体」経路に切り替えて、エネルギーを作り出そうとします。
通常、体内に糖質があるときはケトン体は作られにくい状態です。
ですが、MCTオイルを摂取することで、体内にある程度の糖質がある状態でも、ケトン体が生成されることが分かってきました。
このケトン体が生成されることで、様々な効果が期待されています。
MCTオイルの効果は?
「ケトン体」経路に切り替わりやすくなる
通常、エネルギーの産生経路を「ケトン体」に切り替えるためには、厳しい糖質制限が必要となります。
ですが、MCTオイルを活用することで「ケトン体」の生成が促進されるため、「ケトン体」経路に切り替わりやすくなる効果が期待できます!
したがって、糖質制限ダイエットを行っている方は、「MCTオイル」を活用することで、より効率的に脂肪燃焼を狙える可能性があります。
アルツハイマー型の認知症を予防する
記憶障害や判断力低下といったアルツハイマー型の認知症の症状は、
脳の神経細胞がぶどう糖をエネルギーとしてうまく使うことができず、ガス欠のような状態になり、正常に機能しなくなることで現れます。
そこで、注目されているのが「ケトン体」です。
ケトン体はぶどう糖が通る脳のセキュリティ(血液脳関門)を唯一通れる栄養素であることから、ぶどう糖の代わりに脳のエネルギー源になれる唯一の物質です。
したがって、MCTオイルを摂取することで、ケトン体の生成が促進されるため、脳の神経細胞がエネルギー不足となることを予防してくれる効果が期待できます。
MCTオイルのおすすめの使い方
プチ糖質制限ダイエットと組み合わせる
糖質制限ダイエットは糖質を厳しく制限することでエネルギーの産生経路を「ケトン体」に切り替え、脂肪燃焼の促進を狙う方法です。
ですが、糖質自体はからだに必要な栄養素でもあるため、巷ではまったく糖質を摂取しないことによる賛否両論があります。
ですので、まったく糖質を摂取しない方法ではなく、摂取する糖質の量を少なくするプチ糖質制限にMCTオイルを組み合わせる方法はいかがでしょうか?
必要最低限の糖質は摂りつつ、「ケトン体」経路への切り替えを狙います。
この方法は特に科学的な裏付けがあるわけではなく(わたしが知らないだけかもですが・・・)、パパ夫が独自で試している方法となりますので、実践する場合はご自身の体調を見ながら、自己責任でご判断ください。
食事の前にMCTオイルを摂取して、食欲を抑える
食欲は、エネルギー不足を感じた脳が指令を出すことで発生する、という説があります。
そのため、実際にからだはエネルギーが足りているにもかかわらず、からだにとっては余分なエネルギーを摂取してしまう、というケースが考えられます。
そこで、食事前にMCTオイルを摂取し、脳に満足感を与えることで、食べ過ぎを防止する、という使い方はいかがでしょうか。
実際に、わたしもこれを実践していて、少量でも満腹感を得られており、食欲をコントロールできている実感があります。
使うときの注意点
MCTオイルを飲むだけで、痩せるわけではない
MCTオイルが持つ効果はケトン体の生成を促進すること、であるため、過剰なカロリーや糖質を摂取している場合は、その効果が限定的になると思われます。
ですので、ダイエット目的でMCTオイルを摂取するのであれば、カロリーや糖質のコントロールをセットで行うようにしましょう。
摂りすぎると下痢や胸やけするかも
MCTオイルは一度に大量に飲むと、胸やけやお腹が緩くなってしまうことがあります。
飲む量の目安としては、1日1~3回、1回あたり小さじ1~大さじ1が主流のようです。
なので、まずは小さじ1から始めて、徐々に量を増やすのがおすすめとなります。
ちなみに、わたしは睡眠の質を考慮して(※)、朝・昼にコーヒーや味噌汁と一緒にMCTオイルを摂り、夕食では糖質を摂るようにしています。
※睡眠の質に関しては、追って別記事にまとめたいと思います
プラスチック容器を使わない
中鎖脂肪酸は分子構造が小さいため、プラスチック内部に入り込み、容器を縮めてしまう性質があります。
ただし、容器自体が溶けているわけではないので、からだへの影響は無いようです。
沸点が低いので、加熱はNG
MCTオイルの沸点は約160℃です。
揚げ物や炒め物などに使用して160℃を超えると、激しい泡立ちや発煙が生じてしまう危険があるため、サラダ油などの食用油のように直火での調理には使えません。
なお、MCTオイルは無味無臭のため、コーヒーや味噌汁に入れたり、サラダやヨーグルトにかけたり、といった使い方をする人が多いようです。
さいごに
いかがだったでしょうか?
今回、MCTオイルに関する情報をまとめてみましたが、健康に関する研究は日進月歩で進んでいます。
そのため、結局のところは、「常に最新の情報を収集し、自分のからだに合うかどうかを試していく」、というスタンスが良いのだろうと思ってたりします。
これからも何か新しい情報をキャッチしたら、記事をアップデートしていきますので、みなさまの参考になれば嬉しく思います。それではまた!
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